ピアノ弾きでいる場面で、よく聞かれます。
「どうしたら初見が速くなりますか?」
これはねぇ、本当に何か方法があるなら、
こっちが教えてほしいくらいです。
例えば臨時記号を素早く見るとか、
リズムを瞬時に察知するとか、
視覚的なスピードを訓練するくらいはあるにしても、
技術的な理屈みたいな事はワタクシは良く分かりません。
実はワタクシの場合、
幼少期からずっとそうだったのですが、
その曲が何調であるかを考えるより前に、
弾き始めてから「あぁ何調なんだなぁ」とだんだん分かっていく感じでした。
例えば調号がシャープ2つだった場合、
先に「ニ長調かロ短調!」と判別して弾くのではなく、
「ファとドにシャープを付ける」という事だけ頭に置いて弾く。
調号が多い場合は、
「何々以外はフラットを付ける」という具合に。
理屈よりまずとにかく音を出して、どんな曲か早く知りたかった。
初見が速いというよりは、
せっかちで好奇心が人より強い、という事かもしれません。
タイトルの「イラチ」は、
「せっかち」の関西弁ですね。
ただ、最近は初見が速い事が有効な場面は、
ほぼなくなってしまいました。
もちろん、楽器の特性や奏法の都合などもあるので、
実際音に出してみて分かる事もあるにはあるのですが、
やっぱり作った人たちの思いまで汲み取ろうとすると、
練習していく中で愛着もどんどん湧いてきて、
何か音に力が宿る予感がしますよね。
相変わらず「イラチ」なワタクシですが、
そこは端折らないように気をつけたいと思います。