にらもやしとまとの日記

さすらいのぴやの弾きのたわごとです

秋の夜長に。

一冊の本とであいました。

「波のあわいに 見えないものをめぐる対話」
作曲家の三善晃さんと音楽評論家の丘山万里子さんによる共著です。

最初のページを開けると、
「見えないもの 序にかえて」
というタイトルに三善先生の文章が続くのですが、
本編に入る前にもうガッチリと心を掴まれ、
そのままぐんぐん引き込まれてしまいました。
こんな短い時間で最後まで読んだのは、本当に久しぶりです。
内容としては難解な箇所も確かにありますが、
対談形式で話し言葉そのままに書かれているので、
読み進めやすいと思います。

数年前から、ずいぶんとたくさんの三善先生の作品とであい、
ピアニストとしてその音と触れ合う事ができました。
先日、亡くなられたというニュースを聞き、
なんだか無性に三善先生の言葉にも触れたくなったのです。

あぁ、本当に一度お目にかかりたかった!
丘山さんとのやりとりに見えてくるさり気ない気配り、
選び取られる言葉のひとつひとつに、
お人柄がにじみ出ています。
また、丘山さんとの信頼関係もスッキリと気持ちよくて、
その様子はこちらまで嬉しくなるほどです。

これからは、いつでもパラッとめくれるように、
ピアノのそばに置いておこう。

少し肌寒くなってきた夜の読書、
なかなかやっぱりいいものですね。