「時々夢見るねん。
食器の底から水が漏れてるねん。
それで、あぁそろそろ様子を見に行かなあかんな、と思うねん。」
と言って、母がやってきた。
私は掃除が苦手だ。
お昼前に着いて、一緒にお昼を食べて、
午後から母はせっせと掃除をしていた。
水回りのそこここを磨いて、
そこらじゅうの電源を切って回った。
帰った後にはいつも、使用後の布巾と割烹着が残されている。
私はそれを、感謝とごめんなさいの気持ちで洗濯機に入れる。
昨日は、駅前の美容院へ行く時間に合わせて、
一緒に出かけて駅まで見送った。
「ありがとーねー!」
母が先にそう言った。
母よ、それはこちらのセリフです。